プロローグ

2/3
520人が本棚に入れています
本棚に追加
/302ページ
 四木広臣(よつぎひろおみ)はただの高校生だ。  今年の大学受験を目指し、成績も良く、地元の国公立大学の評定もAはんていだったりする。  スポーツも人並み以上に得意で、もう引退した陸上ではインターハイにも出場してなかなかの成績を残した。  スポーツ万能、成績優秀、容姿端麗(自称)なそんな自分に自惚れつつそこそこ真面目に生きてきたつもりである。  そして夏休みになった今は毎日実家近くの図書館で勉強をして家に帰って寝る。無駄な遊びを控えて受験生として恥ずかしくない生活だ。  このまま良い大学に入り、一流企業に就職し、ちょくちょく親孝行なんてしながら25歳までには結婚して、三人の子供をつくって、のんびりと生きていく、なんて将来を考えながら生きてきた。  それがどうだ。広臣は焦っていた。  今までどんな困難も超えてきたつもりだ。  辛いことも耐えてきて今に至ることでついた自信。  どんなことだって越えていけると思っていた。 「どこで間違えた!!?」
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!