阪口さんの戸惑い

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「…ど、どうしよう…」 返事はいつでもいいって言ってたけど。 本当にいつまでも待たせるわけにもいかない。 ちゃんと、決めないと。 (…もし、OKしたら。 私と大野くんが…こ、恋人同士ってこと…?) 「ひぃやああああああ!!」 駄目だ。 想像出来ない。 今まで男の子と付き合ったことなんてないのに、初彼氏が大野くんなんて。 いくらなんでもハードル高すぎる。 (…じゃあ、断る?) でも、それはそれでハードル高い。 断ったら、大野くん、どんな反応するんだろう。 キレられたりしたら、恐すぎる。 もう学校に行けない。 …いや。 それよりも 告白してくれたのに、…悲しむ…かな。 大野くんの深い瞳が思い浮かぶ。 あの目が暗く曇ること。 それがキレられるより、つらいかもしれない。 「……はあ。 とりあえず、帰ろう…」 これは簡単に答えを出していいことじゃない。 教室でグズグズ悩んでいても結論なんて出ないだろうし。 家でゆっくり考えよう。 というか… 私、さっきから一人で叫びまくって怪しすぎる。 人が来ちゃう前に退散しないと。 「…あれ? そういえば…日誌…」 帰りに提出するつもりだった日直日誌。 気づけば机の上から消えている。 どこにいったんだろう。 …確か… 「………あ! そうだ、大野くんだ!」 教室を出ていくときに、手に持っていた。 きっと提出してくれたんだ。 しかも、特に何も言わずにさりげなく。 私…あんなにやらかしまくったのに。 どうして、そんなに… 「……大野くん。 本当…どうして私に告白したんだろう…」 そして、私はどうしたらいいの。
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