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「へ!? わ、私…?」
「…祭り、行かなくていいのかよ」
「わ、私は行かないよ~。一緒に行く彼氏もいないし。…逆に友達は、彼と行っちゃったし。
一人で行っても寂しいよ…」
自慢じゃないけど、彼氏いない歴=年齢の私。
友達からは、あんたはボンヤリボヤボヤしてるから駄目なんだと散々言われている。
「…彼氏…いねえの?」
「いないよ。私、地味だし、ボーッとしてるから。
あんまり女の子として魅力ないかも」
…って、いつの間に私の話に。
しかも、なんか自虐っぽい。
こんなこと言っても大野くん楽しくないでしょ。
「……」
実際、ずーっと不機嫌な顔を崩さずにこっちを睨んでるし…。
だ、駄目だ。
違うこと話さなきゃ。
「…お、大野くんは、モテそうだよね」
「…………は?
んなわけねえだろ…」
「そ、そうかな。
だ、だってカッコいいし、男らしいし、強そうなとことか、好きな女の子たくさんいるかも…」
それは本当のこと。
確かに大野くんは不良っぽいし、恐い一面もある。
でも、精悍な顔立ちは綺麗に整っているし、体つきもほどよく逞しい。
何よりいかにも頼りがいのある、男らしい雰囲気を持っている。
その雰囲気に圧倒されて、うちの学校で近づく人はいないけど、 もしかしたら他校に彼女とかいるかもしれない。
大野くんは、…カッコいい…と思う。
「………お前は?」
「え?」
「そういうこと言うなら…お前は俺をどう思ってんだよ…」
「………私…?」
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