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「あ!自己紹介がまだだったね。ゴメンゴメン。
わたしの名前はリリーゼ・レガル・オクゼンフルト・ユリシア!長い名前だからリリーと呼んでくれてもいいよ。世界ギルドに所属する剣士で、ギルドランクはSS。
昨日はある依頼でこの村に来たの」
少女の言う通りずいぶんと長い名前だ。もしかしたら貴族の生まれなのかもしれない。
「はい、じゃあ次はあなたの番」
「え?何が?」
「何がって……わたしもしたんだから、自己紹介」
「そうか、そうだね」
まだ寝起きで頭がボーっとしてるのか、少女・リリーに言われて慌てて僕も自己紹介をする。
「僕の名前はカズキ。このノーゲ村で周りの人と同じように農耕をして暮らしている」
出会ったばかりで、まだ完全にはこの子を信用してないので、当たり障りない紹介で済ます。
「カズキだね、よろしく!」
僕の考えに気づくはずもなく、リリーはキラキラした表情でそう言った。あまりにも眩しすぎて、この子は信用できると揺らいでしまいそうになった。
「ところで君はどんな依頼でこの村に来たの?」
「それは……って、ちゃんとわたしの顔見てる?人の話を聞く時は顔を見なきゃダメでしょ」
リリーの発する眩しさに目が眩んでしまうのを避けるために、目線を落としていると、ちっちゃい子供が注意されるようなことを言われてしまった。
だがまあ…、彼女のリンゴのような胸に目がいってしまったことに気づかれなかっただけよしとしよう。
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