期待?不安?

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お店を前にすると また一気に緊張がもどってきた。 (コウいるかな?) 携帯を見ると お昼までまだ時間があった (早すぎたかな…) お店の扉を引いてみると 『カチャ』 (開いてる…) お店の扉が開いたので 中に入ってみると 静けさが漂っていた。 窓がない店内は薄暗い 「コウ?いないの?」 声をかけたものの返事はない。 店内を見回して カウンターの中に入り 昨日の事を思い出した。 ファーストキスを奪われたコウと2人の時間を思い出して、また2人の時間を過ごせる事を嬉しく思った。 ふと、カウンターからスタッフルームに繋がる扉が開いているのに気がついた。 スタッフルームを覗くと ソファーでコウが眠りについていた。 (なんだ、いたんだぁ) そっとコウに近づき寝顔を見た。 きれいな顔 思わず触れたくなる髪 しばらくコウの寝顔を見つめていると ドキドキしながらも 触れたくなった。 そっと髪に手を伸ばした。 “ふわぁ” コウの髪はとても柔らかくさらさらで気持ちがいい。 寝顔もなんてカッコいいんだろう…。 コウに触れている手が離せない。 髪からほほへ ほほから唇へ手を滑らせた。 (もう一度キスしたい…) その時 コウの唇に触れる私の手が捕まれた。 と、同時に コウの唇が私の唇をとらえた。 寝起きとは思えない激しいキス… いつの間にか私は押し倒され私の上にコウが覆い被さっている。 (っ…苦しいっ…) 息ができないくらい激しいキスに私は力がはいらなくなる。 やっとコウの唇が離れた。 「はぁはぁ…」 息があがっているのは私だけ… コウは余裕の笑みを見せる。 そんなコウに腹が立った。一体何人の女とキスしてきたんだろう。 キスをされて嬉しいのに 不安で (私の事どう思ってる?) 「何なの?いきなりっ」 ついつい 挑発的になってしまう。 「寝てるとこ襲ったのお前だろ」 (ゲッ) 「襲ってないし!!」 「唇さわったくせに」 (ゲッ) 何も言い返せないでいる私に、コウは『ふっ』っと 勝利の笑みをこぼした。 勝利を確認したコウは タバコに火をつけ 「じゃ、買い出しにでも行くか!!」 そうだった…忘れてた(笑)
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