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洋太がいなくなって
すぐに
また、声をかけられた。
今度はナンパ男…。
(うざっ!)
「ねぇ、
待ち合わせ?」
「違うけど、
ほっといて!!」
せっかく1人で
楽しんでたのに
気分ぶち壊しに
なった事に腹が立って
立ち上がると
コウが見えた。
コウもこっちを見ている。
私が困った顔をすると
コウはニコニコしながら
「待った?」
そう言って
チラッと
ナンパ男を見た。
「知り合い?」
コウが訪ねると
男は慌てて
人混みに消えた。
私とコウは
男の慌てっぷりに
目を合わせて笑った。
「ありがとう。
どうしてここに?」
「あぁ。
ちょっと買い出し」
そう言って
ニヤニヤしながら
私を見て
「ずいぶんモテモテ
じゃん?」
ちゃかして言うので
「そんな事ないし!」
否定した。
「あの男の前にも
声かけられてただろ?
あまりにも楽しそう
だったから
ほっといたけど(笑)」
「見てたの?
あれは、クラスの男子!
圭織一筋なバカ男!!」
私の話に
『ほんとか?』とでも
いいたそうな顔を
した。
「ホントだよ!」
ふくれる私にコウは
手を差し出した。
「ほら!また迷子に
なるぞ」
いつもと変わらない
コウの態度が嬉しかった。
諦めようとしたのに
また、ドキドキしてしまう。
私はコウの手をとって
歩き始めた。
「どこ行くの?」
「雑貨屋!」
そう言えば
先週、約束したね。
私は、約束が本当に
なった事が嬉しくて
笑顔になる。
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