2つの気持ち?

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コウとハナエさんの背中を見ながら 呆然としたが、 もう、涙は出なかった。 ケンと店の中に入ると 圭織とアキラが 心配していた。 「華?大丈夫?」 ケンは 私とコウとハナエの間に何があったか知らないので、不思議そうに首をかしげた。 何も反応を示さない 私にアキラは 「コウはハナエの事、 何とも思ってないよ。あの2人は終わってんだよ」 そう言って 私を慰めた。 「終わってる? 終わってるのに 何で…?」 私は、2人の背中を 思い出した。 2人で夜の街に消えた。 一体何処に行ったの? 溢れる気持ちが 押さえきれない。 「だって2人はキスをしたんだよ!? 2人で消えたんだよ? 終わってるなんて 嘘だよ!!」 私は、アキラに 怒りを向けた。 アキラの困ってる 顔が見えた。 アキラは何にも 悪くないのに 「アキラ君… ごめん。」 アキラは優しく 微笑むと 「ちゃんとコウと話した方がいいよ。コウだって何か言いたい事があったはずだよ。」 「そうだよ?コウは華を追いかけたんだよ?」 圭織の言葉に耳を疑った。 「え!?」 「ハナエさんが言ってたよ。コウはハナエさんをおいて、華を追いかけたんだよ!」 「だって、 店の前にハナエさんといたよ?」 「華を探したけど 見つからなかったのかも…。私とアキラが店に戻った時にはハナエさんしかいなかった。きっと店の前で偶然会ったんじゃない?」 圭織の言葉が 本当なら… 私を追いかけてきて くれたのなら コウは私を選んでくれたって事なの? 私はコウに ちゃんと 確かめたかった。
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