0人が本棚に入れています
本棚に追加
アキラは
お店に戻ってくると
「もう待ってると
思うから!
じゃあな、華ちゃん。」
「ありがとう。
じゃぁ行くね!」
アキラとケンに
手を振って
お店を出た。
「何で?」
お店の外に出ると
車に寄りかかる
コウがいた。
私は
どうしたらいいのか
わからなくて
うつむいた。
「送るよ。」
「いいっ!
タクシー呼んでくれたし!」
「アキラさんが
呼んだのは俺だよ」
「え?」
「いいから乗れよ」
コウは助手席を
開けたので
私は仕方なく車に乗った。
「家どこ?」
「…。」
コウの問いかけに
何も答えられない
でいると
車が動いた。
コウの車も
アキラの車に
負けないくらい格好いい。
車内も
きれいにしてあり
いい臭いがした。
皮のシートも心地いい。
もし昨日までの私なら
コウの助手席に
座れた事に
舞い上がって
いただろう…。
でも、今は
ハナエさんの存在を
知った今では
素直に喜べない。
ハナエさんも
助手席に乗せたよね…。
無言の車内には
コウのセレクトした
BGMが
静かに流れていた。
(一体何処に
行くんだろう…)
コウが車を止めたのは
イルミネーションが
綺麗な
大きい広場の
駐車場だった。
(きれい…)冬の澄みきった空気に
色とりどりの電球が
綺麗に発色していた。
最初のコメントを投稿しよう!