2つの気持ち?

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コウは 車を止めると 何も言わず 車から降りた。 しばらくして コウが戻ってきた。 「ほら」 コウは私に 温かい紅茶を 手渡した。 「ありがとう。」 私はお礼を言って フタを開けて飲んだ。 (美味しいっ) 無意識に笑顔になった。 「お前って、 泣いたり、 怒ったり、 笑ったり…忙しいな」 コウは、そう言って 私の頭まで 手をのばしたけど、 私には触れず 手を引っ込めた。 その行動に 気がついた私は 寂しくて涙が溢れた。 「ごめん。 俺には、もう… 華の涙を 拭いてやれねぇや」 「ハナエさんが いるから?」 「ハナエとは 付き合うとか、 そうゆうのじゃない」 「じゃあ、 コウにとって ハナエさんは 何?」 「昔、付き合ってた。 すごく愛してた…」 「今でも 愛してる?」 「愛とは 違うかもな…。 でも、 ほっとけない…。」 「そっか…」 「でも、お前が 俺以外の男の胸で 泣いてるの見た時… 辛かった。 俺のモノだったら 奪えるのにって思った。」 「追いかけて くれたんだね…。」 「でも、俺には できねぇや。 俺… さっきまで ハナエ抱いてた。 お前がケンと 歩いてたの見て ヤケクソになった。 最低だよな。」 (抱いた…? ハナエさんと 寝たって事?) 「何で?私とケンは 何でもないよ?」 「俺、最低だな…」 そう言って コウは自分の腕で 目を隠し、ハンドルに 顔をうずめた。 (泣いてるの?)
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