第1章

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 にっこり笑って、妹の実夕(みゆ)が言う。 「冷蔵庫におやつあるよ」  小学校指定の帽子をとった実夕の頭を撫でながらそう言うと、わーい、と嬉しそうに顔をくしゃくしゃにして笑う。 「お姉ちゃんはもう食べたの?」  冷蔵庫から取り出したゼリーをテーブルに置いて、よじ登るようにして座った椅子に腰掛けてから実夕が訊いてくる。 「美味しかった~」  お腹をポンポン叩くと、実夕は、そっかあ、とまた笑う。  小学生との接し方ってこんなふうでいいんだっけ、と不安になるぐらい当たり障りのない会話しかできない自分がもどかしい。 年の離れた兄弟ってどういう会話すればいいの?
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