第1章

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 朝日はいつも目に染みるから、わたしが起きだすのはたいてい朝日が昇り切ってから。 そんなことしていたら、学校に遅刻しちゃうでしょ、とお母さんに無理やり起こされるから、実際朝日が昇り切ってから起きることが出来るのは休日くらいだ。  いつものように遅刻ギリギリで教室に駆け込んだわたしを見て、彩菜が笑う。 「ほんと遅刻ぎりっぎりで入ってくるよね。毎回毎回飽きもせず。見てて気持ちいいわ」  そう言ってわたしの肩をポンポンしてくる。 「今日は精一杯走ったんだよ。いつもの三倍の距離は走ったね」  そう言うと、あははと大口を開けて笑う。
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