第1章

8/18
前へ
/18ページ
次へ
 小さくそう言うと、じゃあ夕子も待っててよ、とわたしの腕を掴んでくる。 「なんでよ。わたしふたりの邪魔じゃん」 「なに言ってんの。むしろ高迫くんが邪魔」  こんな扱いを受けている高迫くんが不憫で仕方ない。 でも、きっと照れ隠しなんだろうなと思ってる。 彩菜は(わたしが思うに)ツンデレだから。  中学の卒業式に告白され、エスカレーター式に入学した高校でも付き合いが続いている彩菜と高迫くん。 わたしが高迫くんの話を聞こうとすると不機嫌になる彩菜。 あんまり訊いて欲しくないことなのかもしれないと思って訊かずにいるわたし。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加