1人が本棚に入れています
本棚に追加
学校を出て四つ角を右に曲がると市街地に出る。
夜になると一気に怖くなるこの街も昼間は普通の、健全な高校生で溢れた街。
「夕子は彼氏作らないの?」
今日は恋バナデイなのか、朝から恋バナしかしていない。
「恋はするものじゃなくて落ちるものだよ」
右手の人差し指をたててウインクをして言ったら、冷たい目で見られた。
「そんなことばっかり言ってるから」
彩菜はため息をついてから呆れた顔でそう言った。
「なにさ、自分には高迫くんがいるからって」
リア充爆発しろ、と彩菜を睨むと、全然怖くな~い、とバカにした声で言う彩菜。
コンクリートのマス目に沿って足を動かすと歩調が早まる。
しばらくそうやって遊んでいると、おもむろに彩菜が口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!