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「オルガ局長」
凛とした声が、獅子のような背中を振り向かせる。
そこには同じ衣を纏い、白銀の髪を靡かせた、端正な顔立ちをした同じ歳ほどの、眼鏡を掛けた青年が涼しそうな顔でこちらに笑いかける。
身長は細長く、男らしさも備わっているが眼鏡の奥に隠れる妖花的な切れ長の瞳は、まるで宝石の月長石(ムーン・ストーン)の細しさがあった。
まるで、絵に描いたような艶やかな男だ。
「よぉ、迎えにきてくれたのか?ウィエル……」
「ええ、まぁ。獅子が牙を抜かれたら、どんな小動物になるかなっと思いまして」
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