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どこにでもいるような。
そんな中学二年生になりたかった。
普通に学校で友達ができて、普通に家で家族と話ができる。
そんな中学生になりたかった。
もう、無理だけど。
授業中。
ノートにシャープペンを走らせる音。
時々、色のついたボールペンで線を引いて、ここは重要だと示す。
教室は変わらない。
でも、私は変わりたい。
変わりたいのに、変われない。
いつも独り。
教室には溶け込めていない。
夏の暑さになら、溶け込めるはずなのに。
教室では、私は浮いている。
人と上手く接することができなかった。
私、永島 時子(ながしまときこ)は、根暗な中学二年生。
髪を二つに縛り、大きな黒縁眼鏡をかけている。
中学一年の春、友達作りに積極的でなかった私は、そのまま一人行動を貫き、本当に独りになってしまった。
小学生の時は何人か友達がいたのに、中学生になってから途端に人と接することにぎこちなさを感じて。
私の家が破綻すればするほど、他人との距離感が掴めなくなっていった。
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