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私を完全拒否した二宮くんが、ようやく英語の教科書を開いた。
開かれたページに目が留まる。
「…英語嫌いって、嘘じゃん」
二宮くんの教科書には、綺麗な字で書き込みがされていて、むしろ英語は好きで得意なんだろうと感じた。
「まぁ、お前よりは出来るだろうな」
『先生来たから黙っとけ』と、これ以上突っ込まれたくない様子の二宮くんは、丁度先生が来た事をいい事に、私を黙らせた。
よくよく考えてみれば、曲がった事が嫌いな二宮くんが、授業をサボるわけがない。
友達でもない。好きでもない。むしろ嫌い寄りの私を放っておけなくて、窓側の後ろから2番目の席から、廊下側の前から3列目の私の隣に移動してくれた二宮くんは、口だけが辛辣なとても優しい人間だ。
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