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「帰んないんだ?」
とりあえず、大志の近くに腰を掛ける。
「香川さんが来るかなーと思って、待ってました」
大志は俺に何か話があるのだろうか。
…とりあえず、俺の方はある。
「大志は小春の進路の事、何か聞いてる?」
福祉関係の仕事は決して楽な職業ではないだろう。
小春だってそんな事は分かっているだろうに、『やってみれば?』『うん、そうだね』で簡単に決めてしまうことに、違和感があった。と言うか、そんなのおかしい。
大志なら、小春から何かを聞いているだろうと思った。
「小春ちゃん、本当は保育士さんになりたかったみたいだよ」
俺の質問に、眉間に皺を作りながら答える大志。
やっぱり小春は、大志にだけは話していた。
『はぁ』と無意識に溜息が出た。どうしたら、小春は俺に心を開いてくれるのだろう。
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