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「他に、好きな人が出来たの?」
突然別れを切り出さた理由が分からない繭。
やっぱり繭は、小春を『女』だと思っていない。
小春は俺の恋愛対象にはならないと決めつけている。
「昨日一緒に遊んでた小春だとは思わないんだ。俺、繭には小春をちゃんと『女の子』扱いするコでいて欲しかった。そこだけ。そこだけが繭の可愛くないところ。あとは全部可愛い。 あとは全部好きだった」
そう、繭は本当に物凄く可愛い。
ただ、たった1つの可愛くない部分が、どうしても許せなかった。
「これからちゃんと気を付ける。だから別れたくない!!」
繭が縋る様に俺の袖を掴んだ。
「こんな俺の彼女でいたいと思ってくれて、嬉しいよ。 ありがとね、繭。でも俺、もう前みたいに繭を好きになれない。もう、付き合えない。 ゴメン」
そっと繭の腕を袖から放して下ろすと、繭が泣き崩れた。
でも、胸を貸しちゃいけない。
頭も撫でちゃいけない。
だって、繭はまだ俺を好きでいてくれているから。
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