巨人の初体験。

12/15
307人が本棚に入れています
本棚に追加
/136ページ
 「じゃあ、試しにしてみる?」  大志が『ちゅうー』と言いながら唇を突き出した。  何言ってんだ、大志。チャラ男か、アイツ。  「…うん」  小春が小さく頷いた。  え? 小春、『うん』って言った? 今。  「…え?」  まさかの返事に驚く大志。  大志もきっと冗談で言っただろうから、軽く受け流されるものだと思っていたのだろう。  「…だって私、一生彼氏出来ないかもしれない。だから、大志くんが嫌じゃなかったら…」  思いつめた様に話す小春。  小春にとって、『未体験』である事は切実な問題だった。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!