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「…初キス、俺でいいの? 好きな人としなくていいの?」
大志が俯く小春を覗き込んだ。
小春は今、どんな顔をしているのだろう。
「私、大志くんの事好きだよ。恋愛はしてないけど、友情だけど、大好きだよ。だから…。 だって、私を彼女にしたいと思う人なんか、現れないよ」
「そんな事ない!!」
大志が小春の意見に反対する所を初めてみた。
大志はいつだって、小春の理解者で小春の意見に同調していたから。
「なんで言い切れる? 今までそんな人いなかったのに、これから都合良く現れる? そんな夢みたいな事ってある? したくないなら、いいんだって。ゴメン、変な事言って。大志くんにだって選ぶ権利あるもんね」
苦しそうに、悲しそうに、小春が無理矢理笑った。
「…小春ちゃん」
困った様な、悲しそうな顔をした大志が小春の頭を撫で、そのまま小春の頬に手を置いた。
そして、小春に自分の顔を近づける大志。
小春と大志の唇が重なった。
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