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「ねぇ、小春ちゃん。『彼氏なんか出来ない』なんて、諦めるの早すぎだよ。小春ちゃん、まだ18年しか生きてないのに、何悟っちゃってんの? だからさぁ、セックスは本当に好きな人としなきゃダメだよ」
宥める様に、小春を諭す大志。
何言ってんだ、大志。お前こそ、何を悟ってんだよ。そう思うなら、キスなんかすんなよ。
「さすがに『抱いて下さい』とは言いませんがな。
大志くんは、本当に私に彼氏なんて出来ると思う? 私、シスターでも何でもないのに、一生処女だったらどうしよう」
小春が顔を顰めながら、溜息を吐いた。
「『いよいよダメだ』って事になったら、俺がお相手しますがな。俺で良ければの話だけど」
大志が小春の肩を『ポンポン』と叩いて笑った。
…チャラい。何チャラい事を言ってんだよ、大志。
「…よろしくお願いします」
大志の提案を受け入れる小春。
何、よろしく願いしてんだよ、小春。
ダメだ。
それじゃ、ダメだ。
キスもセックスも、好きな人とじゃなきゃダメだ。
-------------その日は、小春たちに会わずに帰った。
その日から、小春たちと連むのを辞めた。
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