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翌日の試験は、大志くんの御守りのおかげで上手く行った。
数日後には合格通知が来て、私は来年、無事に大学生になる。
――――そして時間は容赦なく流れる。
高校を卒業する日が来た。
大志くんに『一生に一度の高校の卒業式なんだから可愛くしよう』と言われ、メイクをしてもらう事になった。
ウチら以外誰もいない視聴覚室。
折角大志くんが綺麗にメイクしてくれているのに、もう泣きそう。
まだ式は始まっていないのに。
だって、この視聴覚室に来るのも、今日で最後。
思い出がいっぱいすぎて、目から涙となって溢れ出す。
「小春ちゃん、泣くの早いから。 メイク崩れるから我慢してよ」
大志くんが『よしよし』と私の頭を撫でた。
「~~~だってー」
だって、まだ卒業したくないんだもん。
まだ3人でアホみたいな事していたいんだもん。
3人で…。
高校生活最後の日、香川くんは視聴覚室に来なかった。
香川くんは、志望大学に受かったのだろうか?
ちゃんと大志くんがくれた御守り渡したし、きっと受かっている…んだよね?
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