312人が本棚に入れています
本棚に追加
『次の授業、サボりたいから俺も一緒に行く』
そう言って香川くんが保健室についてきた。
…まぁ、そうだよね。私なんかを心配してついて来てくれるわけないよね。
香川くんと保健室に入る。
「センセー、小泉の背中に湿布貼ってあげて。さっきの体育でぶつけちゃったから」
香川くんが保健室の先生に説明すると『あらあら、大丈夫?』と先生が私の手を引いて椅子に座らせてくれた。
「キミは授業に戻っていいよ。キミがいると、小泉さんのTシャツ捲くれないでしょ? 小泉さんは女の子なんだから」
先生が香川くんに注意をすると、香川くんが『あ、そっか』と苦笑いした。
…女の子。誰も私を『女の子』だなんて思っていない。
虚しい響き。
最初のコメントを投稿しよう!