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「ほっぺ、どうしたの?」
男の子の顔は、左右の大きさが違うくらい腫れていた。
「歯が痛くて…」
男の子が痛そうに、頬や顎を擦った。
「歯医者さん行きなよ」
「学校来る前に行った。学校来たら、尋常じゃなく痛くなってきて…だからオレが保健室で寝てたのは、サボりじゃないんで。香川さんとは違うんで」
男の子は、ベッドの中でウチラの会話を聞いていたらしい。
男の子がドヤ顔で、香川に笑いかけると『1年のくせに生意気』と香川くんが笑い返した。
「余ってる冷えピタ貼ってあげるから、背中出しなよ。別に恥ずかしくないんでしょ?」
男の子が冷えピタのシートを剥がす。
言われるがままTシャツを捲くると、『可哀想に』と言いながら、男の子が冷えピタを貼ってくれた。
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