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「…一緒だ」
男の子が、私の正面に来て笑った。
「153センチの、大森大志です。俺も、小人のくせに名前に『大』が2コ入ってんの。小春ちゃんも結構イジられたっしょ。俺もさすがに親を恨んだもん」
お互い、身長で苦労している為、妙に通じ合う。
…だからか、大森くんに背中を撫でられた時に、素直に有難いと思えたのは。
大森くんには、きっと私の気持ちが分かるから。…てゆーか、
「『小春ちゃん』?」
私、小学校の時点でかなり大きかったから、『ちゃん』付けで呼ばれたのなんて、幼稚園以来だ。
「身長という同じ悩みを持つもの同士、仲良くなりたいなーと思いまして。俺の事は『大志くん』でいいですよ。他の呼び方でもいいですし」
ニッコリ笑いながら、握手を求めるように右手を伸ばす大志くん。なんて人懐っこいんだ。
「ヨロシクね、大志くん」
大志くんの小さな手を、私の大きな手で覆うように握った。
私も、大志君と仲良くなりたいと思った。
だって、きっとウチラの悩みは、ウチラでしか分かり合えない。
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