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「ねぇ、小春ちゃんって勉強得意?」
大志くんが突然鞄を漁り出し、数学の教科書を取り出した。
…教えてって事かな。
「数学なら、俺が教えてやろっか?」
香川くんが、大志くんの持っていた教科書を奪うと、パラパラと捲った。
そういえば、繭が『比呂は数学が超得意』と言っていたような…。
「香川さんて、数学得意なんスか?」
大志くんが香川くんを見上げると、
「学年1位なので」
香川くんが、物凄いしたり顔で『ふふん』と鼻を鳴らした。
「小春ちゃんは?」
この流れで聞いてくるなよ、大志くん。
私だってそこそこ成績良い方なのに、霞むやんけ。
「…5位」
なかなかの上位なのに、1位の後では何の自慢にもならない順位をボソっと答える。
「スッゴ。え? 他は? 英語は? 化学は?」
何を興奮しているのか、私の腕をブンブン揺する大志くん。
…私、ぶつけたの背中だけじゃないんですけど。何気に腕も痛いんですけど。
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