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-----ある日の3限終了後。
次の授業の教科書を机から出していると、
「比呂、チョコあげる」
私の背後で、繭が香川くんにチョコを手渡していた。
今日もラブラブで羨ましい。
「小春も食べる?」
繭が私の背中を『ツンツン』と押した。
小腹空いてたから有難い。
「うん、ありがとう」
遠慮なく箱に何個か入っているチョコを1つ摘まみ、口の中に放り込む。
甘くておいしい。
口の中でチョコを転がしていると、繭だけチョコを食べていない事に気付く。
「繭、食べないの?」
てゆーか私、繭の分食べちゃったとか!?
自分が食べようと思ってたの、親切にも私にくれちゃったとか?
でも、まだ箱の中にチョコあったよね?
食べちゃまずかったかなと心配していると、
「最近太っちゃって。大台に乗りそうなの」
繭が困った様に笑った。
…ヨカッタ。私が悪いわけではないらしい。
でも、全然太ってないのに。繭、痩せてるのにな。
「大台って?」
香川くんもまた『どこも太ってないじゃん』と言いながら繭に尋ねる。
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