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他人の恋愛事情を羨ましがりながら視聴覚室の扉を開くと、
「お疲れー。小春ちゃん」
先に来ていた大志くんが、自分が座っている席に私を手招きした。
今日も可愛いい大志くん。
恋愛は出来ていなくとも、こうして心を開ける友がいるのだから、それでいい気がした。
「お疲れー。大志くん」
大志くん傍に駆け寄り、お弁当を開いた。
『いただきまーす』
仲良く唱和すると、早速お弁当をがっつく大志くん。
大志くんのお弁当は、絶対に魚とチーズが入っている。
お母さんに頼んで、カルシウムがたくさん取れるお弁当を作って貰っているらしい。
彩りが綺麗で、いつも美味しそうな大志くんのお弁当。
どうか、大志くんと大志くんのお母様の努力が実って、大志くんの身長が伸びて欲しいところだ。
私のお弁当はというと…私のお母さんも、料理は上手な方だと思う。
お母さんの料理に不満を感じた事は1度もない。
でも、今日は箸が進まない。
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