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「小春ちゃん、お腹の調子悪いの?」
ほんの少ししかお弁当に手を付けない私を、大志くんが心配そうに覗き込んだ。
「…イヤ。ちょっと痩せた方がいいかなと思って…」
「え? 小春ちゃん、痩せてるじゃん。ガリガリじゃん」
『ちゃんと食べなよー』と大志くんが私の手を掴み、無理矢理からあげに箸を突き刺した。
確かに私は今まで、自分を太っているとは思わなかった。
身体測定も、肥満度はマイナスだったし、痩せている方なんだと思っていた。
でも、私は62kg。きっと、大志くんより重い。
『大志くんより身長が高いんだから当たり前』なんて言ってちゃいけないのかもれない。だって、
『大台に乗ったら女のコじゃない!!』
繭の言葉が頭を過る。
40kg台はさすがに無理だとしても、50kg台には乗せたい。
あわよくば、50kg台前半に。
巨人だけど、私も女でありたい。
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