横たわる巨人。

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 布団の下で握りこぶしを作り、涙を堪える。  「俺もねぇ、ちょっとでも身体大きく見せたくて、筋トレしまくってた時期があるの。筋肉を付けて、横にデカくなれば、全体的にちょっとは大きく見えるんじゃないかって思ってさ。でも、ただ不恰好になっただけだった。だから、それからは一切やってない」  今にも泣きそうな私の頭を、『よしよし』と大志くんが撫でた。  『程ほどにね』  大志くんの言葉を思い出す。  私と同じ様な道を、一足先に歩いていた大志くん。  やりすぎは良くないと、大志くんは身を持って知っていた。  私は、そんな大志くんの言葉を聞き流してしまった。  ちゃんと聞いていたら、誰にも迷惑かからなかっただろうに。  無駄に努力して、傷付く事もなかっただろうに。  …大志くんの前でなら、泣いてもいいだろうか。  「……私、小さくなれなかったよ、大志くん」  涙が、ボロボロと零れ落ちた。
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