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みんなの態度に違和感と言うか、嫌悪感を抱きつつ、小泉に手を差し出すと、
「繭の彼氏はカッコ良くて優しいな。ありふがとうね。平気だよ。私より小さい男子にぶつかられたところで、何とも無い」
少し涙目になった小泉が、俺の手を取らずに背中を擦りながら立ち上がり、少しヨロヨロしながら走ると、試合に戻った。
小泉は確かにデカイ。
でも、見るからに男子より10kg以上軽い。
バスケ部でも何でもない小泉に、普通の男子のオフェンスを止められるわけがない。
足だって、男子のスピードには敵わない。
「あぁ、もう!! 小泉、まじで無駄な巨人。全然使えない」
好きで男子グループに引っ張られたわけじゃないのに、同じチームの男に散々な言われ様の小泉。
「…ごめんね」
それなのに、苦笑いを浮かべながら謝る小泉。
小泉が不憫でならなかった。
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