彼女のトモダチの巨人。

5/8
307人が本棚に入れています
本棚に追加
/136ページ
 みんなの態度に違和感と言うか、嫌悪感を抱きつつ、小泉に手を差し出すと、  「繭の彼氏はカッコ良くて優しいな。ありふがとうね。平気だよ。私より小さい男子にぶつかられたところで、何とも無い」  少し涙目になった小泉が、俺の手を取らずに背中を擦りながら立ち上がり、少しヨロヨロしながら走ると、試合に戻った。  小泉は確かにデカイ。  でも、見るからに男子より10kg以上軽い。  バスケ部でも何でもない小泉に、普通の男子のオフェンスを止められるわけがない。  足だって、男子のスピードには敵わない。  「あぁ、もう!! 小泉、まじで無駄な巨人。全然使えない」  好きで男子グループに引っ張られたわけじゃないのに、同じチームの男に散々な言われ様の小泉。  「…ごめんね」  それなのに、苦笑いを浮かべながら謝る小泉。  小泉が不憫でならなかった。
/136ページ

最初のコメントを投稿しよう!