地上１８２センチメートルを、キミと。

化ける巨人。

　「小春の表情、ウケる」

　ゲーセンを出ても尚、香川くんはさっき撮ったプリを見ながら笑っていた。

　「…いい加減しまいなよ」

　自分では最高に笑っているつもりでも、緊張していたりするとあんな微妙な笑顔になるという事を、今日知った。

　「大志にも転送してやろう」

　香川くんは、大志くんをハブりはするけど、プリは律儀に送るらしい。てか、

　「送らんでいいわ!!」

　今日の香川くんは、なんか意地悪だ。

　香川くんの手からスマホを奪い取ろうと、香川の腕を掴んだ時、

　「うわー。イケメンー!!」

　私たちの横を通り過ぎようとしていた２人組の女子が、香川くんを見て騒いだ。そして、

　「一緒にいる人、彼女かな？ 　顔はキレイだけど、超デカイね」

　「あのイケメンは、なんであんな巨人と付き合ってるんだろ。ミステリーだね。ホラーだね」

　明らかに私の話をして笑った。