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「…帰ろう、香川くん」
香川くんの腕から手を離し、歩き出す。
結局私は、香川くんと居たって、大志くんと居たって『巨人』って言われるんだ。
「さっきのコたち、小春の事を『キレイ』って言ってたね」
『良かったね』と香川くんが私の肩を『ポン』と叩いた。
…始まった。 香川くんの気休め。
「『けど、デカイ』って言ってたね。付き合ってもないのに『なんであんな巨人と』って言ってたね。 香川くんを『趣味のおかしいイケメン』にしちゃってゴメンネ」
『ゴメンネ』なんて心にもないから、嫌味ったらしく香川くんに当たる。
分かってる。 香川くんは悪くない。
自分で香川くんの誘いに乗ったんだ。
香川くんに当たるのは、筋違い。
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