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〔このプリ、ウケる。小春ちゃん、キョドリすぎでしょ。小春ちゃんの事、ちゃんと楽しませてくれたんだよね?〕
送ったメッセージはすぐに既読になり、大志からの返信が届いた。
大志は、小春の事しか興味がないらしい。
なら、小春とLINEすればいいじゃん。
…そっか。小春なら、楽しくなかったとしても、『楽しかった』と答えるだろう。
〔小春は、楽しくなかったと思う〕
送信ボタンを押しながら、また溜息が出た。
〔もー。何やってんだか。香川さんってさぁ、小春ちゃんの事が好きなんでしょ?〕
落ち込む俺に、大志から脈略の分からないメッセージが届く。
〔好きだよ。大志もだろ? 大志と一緒〕
とりあえず、聞かれた事に答える。
まとまりのない話にツッコミを入れられるほどの元気は、今の俺にはない。
〔俺の『好き』と香川さんの『好き』は違うでしょ〕
受信した大志のメッセージを見ても、何を言いたいのかさえ、今の俺には理解が出来ない。
何が違うと言うのだろう。
〔違わないし〕
でも、大志と俺の気持ちに相違がない事は分かっているから、しっかり否定のメッセージを返す。
俺と大志の『好き』は、同じだ。
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