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「5」
シトシトと雨が降る
雨が降る
雨はただ地面を潤すけど、濡れただけの大地にはきっとならない
君がそこにいてくれるから
「雨だね」
×××(君の名前)が言う
目を閉じて思い返す
×××(君の名前)は雨が好きだった
私も雨が好きで、雨にも意味を付けようって、どちらともなく言った
その時のことを、私はよく覚えてる
ーーーーー
「雨蛙が鳴いてる」
「雨が降ってるから」
「雨蛙の意味は確か……」
「哲学だよ」
「そうだったね……もっと、聞いていたいな」
「……そうだね」
ーーーーー
私は雨を降らし続ける
君の見続けるものが三日月なら、「君」達の分まで月を満たしていくのが私の役目
だから、
君が三日月でいられるなら、私はきっと頑張れる
だから……
それは、雨のやまない昼過ぎの頃のこと
君とのサヨナラまで、あと少し
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