1人が本棚に入れています
本棚に追加
「3」
庭先に立つと、君は縁側で日向ぼっこをしてた
暖かくてゆったりしてて、とても気持ち良さそうだ
そんな顔を見てたら、私まで亀になりそうだなと思った
でも、私はそれを望めない
ねえ、知ってる?
君に言ってないことがね、あるんだよ?
私の言う、「赤」のもう一つの意味
「悲しいの?」
私の質問に答えながら、君は首を傾げた
そう、赤いからこそ悲しいの
そうしないといけなくなったから
これは、君と私の共通点
…………
「帽子で隠してもね、いつかは脱がなきゃいけないの。私は赤いから」
「赤ずきんちゃんも、僕も赤いよ? 皆、赤いんだよ? どうしてそんなに悲しむの?」
「……×××(君の名前)も、赤ずきんちゃんみたいだよね。……ううん、違う。皆、違う」
…………
それは、刺すような陽射しが降り注ぐ頃のこと
あなたは今日も、暖かく過ごせましたか?
最初のコメントを投稿しよう!