序章 終わりの始まり

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「…はぁっ…はぁっ…」 遂に…元凶を倒した…。 魔王の返り血を浴び、聖剣を持つ橙髪の青年は、その場で立ち尽くしていた。 するとそこに槌の子が青年に近づいた 「やった!リバースが魔王を倒した!」 「これで…世界は…平和に……」 安堵したその瞬間 ズゥウゥゥゥウゥゥン… …地響きの音が外からして、部屋も少し揺れた… 「!?何…今の…は」 リバースは、槌の子を抱き上げ 疲れた体に鞭を打ち、外へ出た。 …外… 「…な……っ…」 リバースは、外の変わり果てた光景に驚いた。 美しかった平原が、一瞬で荒野になっていた。 所々には、人間の死体が転がっていた… その中には、王家の死体までもあった。 「……何が、起こった…んだ……」 「ひどい…矢が刺さってる…」 リバースの目線の先には、見覚えのある 女の子が横たわっていた 「…!!」 リバースは槌の子を抱え、その場へ向かった 「…ア……リ…ア……?」 リバースがアリアと呼んだ少女の腹には、神槍のスフィアランスが刺さっていた。 「アリア!どうしたんだよ!?おい…!」 リバースは、槍を抜きアリアに話し掛けた 「グフッ…リ…リバ………ス…?」 「アリア…喋るな…今治してやるから…」 「ま…おう…たおし…たん…だね…」 「何も喋るな…っ…」 リバースは、アリアの腹に手を当て 魔法で傷の治療をしようとしていた。 「…リバースが…私に…言った……言…葉…うれし…かった……」 「……」 『魔王を倒したら、結婚しよう』 リバースはアリアにそうプロポーズした …二人は仲のいい幼なじみで、ずっと恋人で、相思相愛だった。 「…で…も……わたし…より、…いい…ひと…いる……よ…。まえ…はなし…てた…もう…ひとつの…せか…い…に…」 「喋るな…っ…!!」 リバースは、思わず怒声を上げた
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