48.再会の日 

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だから晋兄は、友を思いながら、 空を見つめてるのかもしれない。 「舞、オレは山を下りる。  まだオレにはやるべきことがありそうだ」 「うん。  モトさんの歌、力強いね。  ホント、お母さんみたいな温かい懐の深い人だね」 晋兄を戦いの道にもう一度送り出そうとしているけど、 だけど……それは晋兄の強さを知っているからなんだと 感じることが出来たから。  「あぁ。  それより舞、お前はどうする?  オレはこれから戦の中に身を投じる。  舞が来ても、辛いだけではないか?  おうのの元か、雅の元に身を寄せるか?」 そう言った晋兄に私は逆らうように首を振る。 「晋兄、私は晋兄と闘うために来たの。  京でね、義兄の最期を見送ったの。  ちゃんと見届けたよ。  義兄、鷹司邸の庭でお互いの刀で、  お互いのお腹を貫いて旅立った。  ちゃんと……武士としてかっこよかったんだよ。  義兄のお墓はね……」 ちゃんと伝えようとしたのに、 涙が邪魔をしてなかなか言葉に繋がらない。 ちゃんと伝えるって決めたのに。 「義兄の……ヒック、  お墓はね……お辰さんが……」 泣いて思うように言葉が紡ぎだせない私を 晋兄は自分の方へと抱き寄せてくれる。 「もういい。  舞、泣くんじゃねぇ。  旅立つ時に、お前が近くに居たんだ。  アイツも寂しくなかっただろうな。  辛かったな……」 晋兄の声は何処までも優しくて、 晋兄の温もりに包まれるように私は泣き続けた。   ごめんね。 強くなるって、 もう泣かないって決めたのに。 私はまだまだ甘ちゃんだね。 私が泣き止んで落ち着くまで、 晋兄はその暖かさで抱きとめてくれた。
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