72人が本棚に入れています
本棚に追加
「こうやって向こうの世界でも、やってたんです。
お祖父ちゃんに稽古をつけて貰った後に。
後は、私もやって貰ってた。
これを毎日続けて、山南さんの腕から痺れがとれたらいいですよね。
そしたら、そんな苦しそうな表情をせずにすむのに」
それが私の本音。
山南さんが苦しいことがあるなら、
ラクにして欲しい。
「山波君、有難うございます。
気持ちよかったですよ。
明里のところへ行きますが一緒にどうですか?」
「あっ、行きます。
私、明里さん渡したいもの会ったんです。
沢山は買えなかったけど、この間の御給金が出た時に
高麗人参買ったんです。
前に明里さんに山南さんが渡していたから」
「覚えてくれていたんですね。
高価なものを有難う。
私も寄り道して、高麗人参と私の薬を調達して
行きましょうか」
練習に使った木刀を所定の位置に戻すと、
そのまま山南さんと二人で出かける京の町。
明里さんが住む長屋までの道程。
薬を買ったり、和菓子をかったり、
ショッピングを楽しみながら。
その時、山南さんが高麗人参を何時もより一袋多めに
購入していたのを見逃さなかった。
最初のコメントを投稿しよう!