49.山南さんと過ごす時間 

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「こうやって向こうの世界でも、やってたんです。  お祖父ちゃんに稽古をつけて貰った後に。  後は、私もやって貰ってた。    これを毎日続けて、山南さんの腕から痺れがとれたらいいですよね。  そしたら、そんな苦しそうな表情をせずにすむのに」 それが私の本音。 山南さんが苦しいことがあるなら、 ラクにして欲しい。 「山波君、有難うございます。  気持ちよかったですよ。  明里のところへ行きますが一緒にどうですか?」 「あっ、行きます。  私、明里さん渡したいもの会ったんです。  沢山は買えなかったけど、この間の御給金が出た時に  高麗人参買ったんです。  前に明里さんに山南さんが渡していたから」 「覚えてくれていたんですね。  高価なものを有難う。  私も寄り道して、高麗人参と私の薬を調達して  行きましょうか」 練習に使った木刀を所定の位置に戻すと、 そのまま山南さんと二人で出かける京の町。 明里さんが住む長屋までの道程。 薬を買ったり、和菓子をかったり、 ショッピングを楽しみながら。 その時、山南さんが高麗人参を何時もより一袋多めに 購入していたのを見逃さなかった。
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