50.東からの新隊士 

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充電がなくなった携帯を握りしめながら 心の中、舞を思う。 ……舞……今頃何してる? 私は……いつも通り、 京で精一杯生きてるよ。 「瑠花、それは?」 総司が刀の手入れをしながら問いかける。 「遠い未来の文明の利器。    携帯電話って言って、長州にいる舞と簡単に連絡がつけられる  そんな機械だよ」 「だったら……その機械とやらがあれば関東を旅してる、  近藤さんの声も聞けるのですか?」 総司が目を輝かせるように刀を手入れする手を止めて 近づいてくる。 「この世界で使えればね。  だけど電池が切れた今は意味のないアイテムかな。  だけど……なんか、懐かしくて」 「舞さんがここを離れて二月以上経ちますからね」 「うん……」 総司の言葉に思わず真っ青な空を見上げる。 建白書事件の後、近藤さんは隊士募集に屯所を留守にした。 花桜は何時も山南さんと一緒に居ることが多くなった。
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