238人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の名前は花崗紫姫。
幼馴染と登校中、その幼馴染の景都を勇者召喚するためらしい魔法陣に巻き込まれて異世界らしきところに吹っ飛ばされました。
紫姫「いや、待て待て!」
普通だったら隣には景都がいて、天界やらなんか神様がいるところに呼ばれるんだよな?
それで景都はチートになって俺はそれなりな平凡能力を貰う…はずなんだけど…
紫姫「何故いきなり森の中……」
今俺がいるのは、人間が滅多に立ち入らないような神秘的な雰囲気の森の中。
しかも制服に通学カバンという男子高校生平日スタイル。
あれもしかしなくても俺、はぐれた?
なに、景都だけテンプレ通りで俺だけ丸腰死亡フラグ?
こんなのってアリ?
紫姫「ちょっと神様どうか気付いて…!
ここに憐れな迷える子羊がいます!」
ーーガサガサッ
紫姫「うわああ!殺される!!」
いきなり木々の間の草むらから何かが動く音が聞こえた。
大した武器なんてベルトくらいしかないから、熊とか凶暴そうなモンスター出てきたら俺即死ね、これ決定ね。
ーーガサ…ッガサガサガサッ!
ち、近付いて来た!!
紫姫「イヤまじ無理!死ぬ!!」
思わず音のする方と反対の方向へ全力疾走。
くっそ!教科書重いぜ!!
ーーガサガサ~♪
紫姫「てめっ!追いかけてくんなしw」
なんか足音から余裕そうな雰囲気が感じ取れてムカつくw
でも本当は俺にそんなこと考える余裕なんてない。
進行方向には大きな川、そしてその川の上流には湖と滝が待ち構えている。
そしてとうとう俺は逃げ場の無い、開けた場所へ辿り着いてしまった。
紫姫「…死んでたまるかよバカぁあ…ッ!」
もうヤケクソである。
持っていた通学カバンを真横へ置き、俺はバックルへと手を伸ばして腰からベルトを引き抜いた。
いいか、変態では無い。
最初のコメントを投稿しよう!