気付いたら魔の世界…でした

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 白色の彼は、まるで新しい玩具を見つけた子供のような瞳を愉快そうに歪める。 ?「お前は元の元から、こっち側の人間の癖に……っははは!」  そしてそれに応えるかのように、 ギルア「…それを言ったら面白くないじゃないか…誰しも秘密を隠す蕾を持っているからこそ、色んな花を咲かせるんだよ」  楽しそうに、 ギルア「最も、君の蕾は特に僕好みだ」  黒も笑った。 ?「褒めてもなにも出ねえぞ!ははは! ーーと、まあ茶番はここまでにしておく 今日は所用で来たんだぜ」 ギルア「うん、なんだい? また楽しい遊びのお誘いだろう?」 ?「あー…まあ、そうとも言う(笑)」  白い男は背中の翼をすべて仕舞い身軽になったためか、腕を頭上で組み伸びをした。 ギルア「それで、なんだい?」 ?「ん~…あー…羽重……あ、そうそう、人生に刺激を求めてちょっくら人間の使い魔になろうかと」 ギルア「うわなにそれ…羨ましいねえ… 絶対退屈しないじゃない…君のことだから勇者関係者の使い魔になろうと企んでそうだけれど」 ?「ああ、俺様もそのつもりだぜ やっぱり勇者当たりが一番の暇潰しになるだろうからな……ということで~」  白い男がチラリと魔王ギルディアーノを見て、そしてそのままそっと見つめる。  その少し絡みつくような視線に気付き、魔王は笑顔で首を傾げた。 ?「ちょーっとだけさ、魔力くれよ」  風が吹き、一面の花々ーーと言ってもまだ蕾だーーが一斉に揺れる。  その風に煽られ、彼等の髪も柔らかく靡く。 ギルア「いいよ、どの供給がお好みだい?僕のオススメはキ」 ?「錠剤 お前とキスしたら逆になにか吸い取られそうだしな(笑)」 ギルア「わかった もー…最後まで言わせてよね?せっかち」  そう言いながら魔王は、いつの間にか手のひらに現れた何粒かの透明の錠剤を、白い男の手のひらへと乗せた。 ギルア「甘~くしておいたから、感謝して取り込んでね」 ?「ああ、ありがとう、感謝するぜ」  魔力の供給、それは彼等の世界…いや、このエディプシアという世界の中では、 ?「うわ美味!」 ギルア「ふふ、味付けは愛ですよ」  愛の行為、性交に近いものであった。 ?「俺からはやらねえけどな(笑)」 ギルア「ああ知ってるよ、ほんの冗談に過ぎない 君の弟くんへのブラコン度にはほとほと呆れるからねえ」
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