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【 butterfly 】
白梅香の香る夜
我-アッシ-は知れず蝶となる
憶-オボ-え朧-オボロ-の十五の齢-ヨワイ-に
" 毒を喰らわば皿まで "と
この身を照らす蝋-ロウ-の灯-ヒ-と
肌を重ねて濡らした悦-コエ-に
『遊戯-アソビ-』は
我-アッシ-を翔ばすのでしょうか?
「 あっ… ンッ!」
切った張ったと吐いたとて
勝負の酒に口端上げても
明日は我が身の胃の底で
悦は光も闇もなく …
「 "あげて"もらんせ上等口上 」
口先三寸"札"にも成りらむ
立たせた"息子"も用に足らねば
一寸木庭立-コバダテ-金-キン-とも鳴るらむ
心で鳴いて口端もたげ
今宵今晩この一刻を
我-アッシ-の背中でお嘆きなされ …
喧嘩上等十五の夜に
我-アッシ-は気高く蝶となる
七朝七夜の運命-サダメ-とて
東に足向きゃ撥-バツ-をも伐-ウ-ける
愛とも恋とも文-フミ-踏む渡世-トセ-に
慈悲を哀れみ恋い焦がれるも
手前-アチキ-にゃそもそも"その気"もないのさ
泳ぎ疲れて眠る明日-サキ-
椿-ツバキ-の華の鬱せみに
後生を憂い気高く散るさ …
誰より高く …
誰より深く …
だからと もしも叶うなら
せめて姓と氏くらい下さんせ
手前に名乗る名も在れば
迷ごう事なく口上傾-カブ-き
此の世に未練と"それ"も無く
ただ…「 一片-ヒトヒラ-の悔いも無し!」
浮き世を前に眼-マナコ-を綴じるさ …
我-アチキ-はずっと …
我-アッシ-はもっと …
高嶺の華とし在-イ-たいのさ?
銭とも金とも役共に
名札ぶら下げ歩けばいいさ …
ならば我-アッシ-はこの身を妬いて
さらには天をも舞いましょう!
今宵今晩、この一刻に …
" butterfly "
~ fin ~
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