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【 for … 】
こんな小さな"箱"の中
ただの一つと辿る名前が
唯一あなたと繋がる糸と
細くも拙いこの指が
頼りもなくと線を引く …
《 スー…ピしスー…ピあ
スーピわ …ピ幸せ… 》
… 幸せにしてますか? …
二人で過ごした楽しい日々が
二人で紡いだ"想い出"が
"過去"と名前を変えた日に
指は …
最後の"一度"を躊躇する
《 ピ…ッ ピ…ッ ピ…ッ 》
… ッ! …
あなたの笑顔を想い描いて
やがて…
すべての文字を消した瞬間-トキ-
私の中の"儚い夢"は
せめて… と"願い"に名前を変えた …
『笑顔』で居たなら
それでいいの … と
そして …
画面が光を忘れた頃に
そっと、あなたの笑顔を
浮かべてみては …
「 … ありがとう。 」
誰に伝えるでもない声は
僅かばかりの微熱を連れて
すっと…
吐息と消えていく …
~ fin ~
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