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(……つーか、元はといえば向こうが悪いんじゃねーか)
そうだ。そもそもあの客――あの男が、いきなりあんなことを言い出さなければ。
それも、あんな近すぎる距離で、囁くみたいに言わなければ――。
俺だってあそこまでパニくることもなかったはずだ。挙句、こんな風に頭を悩ますことも。
(いや……)
そうじゃない。そうじゃなかった。
俺だ。俺の方だった。最初に妙なことを口走ってしまったのは。
あの時俺があんなことを言わなければ、あの男だって変に冗談で返すこともなく、大人しく買い物だけして帰っていただろう。
(やっぱ、明日にでも届けてやろ……)
気がつけば、盛大な責任転嫁の上、
「やっぱもういっかー」なんて楽観し始めていて、俺は慌てて考えを改める。
(明日って……)
6時に店を上がって、翌日の講義は午後からだから、それまでは寝るつもりでいたけど。
早めに起きれたら午前中、起きれなかったら午後の授業をふけるとかして…。
とりあえずあいつがいるらしい現場を、一度覗きに行ってみようと思った。
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