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06...怪我の功名【Side:山端逸樹】
しどろもどろで問い掛けられた言葉が嬉しくて、俺は思わず笑みを浮かべた。それは直人以外の前では決して表現することはないだろう、心からの笑顔だ。
その顔を、恐らくは直人に見られてしまったであろうことも、恥ずかしく感じられないほどに俺の心は高揚していた。
クリスマスのことを持ち出した途端、直人の頬に朱が差したのも俺の気分の良さに拍車を掛けている。
(気付いてないと思ってんのかよ?)
慌てて顔を背けた直人の初々しさが愛しくて堪らない。それを隠すように身じろぎしながら俺から逃れようと悪態をつくところも、何もかもが最高だ。
そんなことを思えば、自然表情が緩むのも仕方あるまい。
もしかしたらさっき将来のことを先に口走ってしまったのも、照れ隠しだったんじゃないだろうか? そう思い至ったら、不思議と怒りも収まった。俺もつくづくバカな男だと思う。
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