4...後の祭【Side:三木直人】

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 冷蔵庫、壊れた?  思い至った答えに、俺は慌てて狭いキッチン端に置かれた冷蔵庫の元へと向かう。  そしてドアを開けてみると、 「うわ、電気ついてねぇ……」  嫌な予感は見事に的中していた。  いや、正確にはそうじゃない。 「直ちゃん、テレビつかない」  そう、だって次にはそんな声が背後から聞こえ――。 (な…、嘘だろ……っ)  一瞬の間の後、弾かれたように振り返ると、宏哉の手には確かにテレビのリモコンが握られていた。ちなみにその使い方は、宏哉もちゃんと知っている。にもかかわらず、テレビは一向につかなかった。  それもそのはず、本体を見遣れば主電源のランプが消えていて、だが俺には一切その覚えが無い。 (いやいや、何コレ……。一体どういうことだよ)  視線は更にエアコンへと向けられ、飛びつくように宏哉の傍に転がっていたリモコンへと手を伸ばす。  日中はまだつけていたクーラーだったが、日が傾くにつれ、冷やし過ぎるのも宏哉の身体に悪そうだと、一旦スイッチを切っていた。  でも、部屋が部屋なだけに、きっと明日の昼にはまた必要になる。 「……は…」  俺は恐る恐るリモコンのスイッチを押した。  が、当然のようにエアコンは何の作動もしない。  ここまできたら、もう殆ど予想通りだったけど、俺は改めて突きつけられたその現実にがっくりと肩を落とした。 「直、ちゃん……?」  その横で、宏哉がきょとんと首を傾げる。俺は深い溜息を一つ落とし、力無く片手を上げた。  空笑い気味の笑みを浮かべ、大丈夫、どうにかする…と力無く添えて。
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