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(何だよ。また俺だけ仲間外れか……?)
途端、そんなことを思って一瞬頭に血が昇りかけた俺だったが、先ほど直人に言われた言葉を思い出して踏み止まる。
と、大人しくしていた俺を気遣ったのか、直人が合間を縫うように言葉を紡いでくれた。
「今日は俺ん家の停電も直ってるだろうし、朝ご飯食べたらあっちに帰ろうな?って言ったら泣き出しちゃったんだよ」
要するに、俺のせいで泣いているわけではないらしい。
そのことに少なからず安堵した俺は
「だったら帰らなきゃ問題ねぇわけだろ?」
何でもないことのようにそう言い放ってやった。
内心、俺だって直人に帰られるのは嫌だったし――。
その言葉はさすがに喉の奥で飲み込んだけれど、泣きじゃくる宏哉に「よくやった!」と労いの言葉すら浮かんできて、俺は思わず笑みが漏れそうになる。
「え? でもそれじゃ逸樹さんに迷惑かけ……」
そんな俺の表情には気付かずに、すかさずそんなことを言い出そうとする直人に
「んなことねぇよ。大体俺とコイツ二人きりになると思うほうがゾッとするぜ」
美咲を指差して俺がそう告げるのと
「気にすることないわ。私もこんなのと二人きりなんてごめんだもの」
俺を指差して美咲がそう言うのとがほぼ同時で。
またコイツと被った、と思った途端、直人が爆笑した。
そんな直人の様子に、今まで泣きじゃくっていた宏哉も泣くのをやめて、きょとんと直人の顔を見上げる。
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