続・13日の金曜日-2019-【Side:三木直人】*

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 *  *  * 「アンタ、マジ最低……」  いまだアルコールの抜けきらない俺は――いや、まぁ原因はそれだけじゃないけど――依然として頭も足取りもふらふらだった。  それでも、一度と言わず体内(なか)に注がれた熱は嫌でもこぼれ出てくるし、結果、身体を拭くだけではどうにもならないと思った俺は、不本意ながらも逸樹さんに支えられつつ、共に浴室へと向かったのだった。 「どうせ掃除するのは俺だ」 「そういう問題じゃねぇ……」  唯一残っていたドロドロのパーカーを脱がされつつ、せめてもと悪態をつく。  身を押されるようにしてドアを(くぐ)ると、浴室内はほどよく空調が効いていた。  俺は促されるまま、姿見の前に置かれた真っ白なバスチェアへと腰を下ろす。 「洗ってやるから許せよ」 「だからそういう問題じゃねぇって……」  言いたいのはモラルの問題だ。  だけど多分、逸樹さんはそれと分かっていて取り合う気はないのだろう。
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