ACT. 2 烏の頼みと鶚の頼み

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「了解。引き受けたから、概要の説明をお願い」 「OK。じゃ、始めよう・・・」 プロジェクターのリモコンを取り上げ、店内の照明を消した静はある一枚のスライドから説明を開始した。 「今回、オレ達が追ってる盗難品(エモノ)はこの絵。とある資産家から盗まれたモノだ」 「油絵だね。綺麗な絵・・・」 「警察の捜査で、この窃盗犯はプロ集団と判明。何度か巣(アジト)まで辿り着いて追い詰めては居たんだが、これが『何故か』全然捕まらなくてな?あと一歩にところで何時も逃げられている・・・まるで」 「警察の動きが漏れているかのように・・・って?」 「嗚呼」 静はスライドを一枚一枚見せながら、ミリオン・ダラーで云った事とほぼ同じ内容を昴に話して聞かせる。 「お前んトコの二人、どっちかこの関係に就いてねぇのか?」 「どうだろう?二人とも忙しそうだし。そう簡単に教えてくれるとも限らないしね」 「・・・まぁいいさ。それより、今回お前に頼みたいのはこの組織についての詳しい情報と構成員の大体の数」 「次の獲物(ターゲット)の情報とアジトの場所・・・でしょ?」 「やり方はお前に任せる・・・出来るか?『オスプレイ』」 「ん~・・・何時もより、ちょっとハードだけど大丈夫だと思う。ウチに掴めない情報は無いよ」 全てのスライドの掲示と説明を終え、静はバーカウンターの向こう側から『ミリオン・ダラー』を昴に出しながら静は問い、彼女はそれを眺めながら答えた。  
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